牛の病気

 胎盤停滞は、分娩(ぶんべん)時に起きやすい病気です。

 胎盤は分娩後1-5時間以内に排出されるのが普通ですが、12時間以上経過しても排出されない時には 停滞(外陰部に胎盤が垂れ下がっている)を起こしています。

 これは産前産後の体力消耗、難産や流産、カルシウム給与不足などが原因で、膣(ちつ)や子宮内 汚染にもつながります。

 第一胃の機能が著しく低下し、食欲と反すうがなくなります。

 ときには背をまげたり、腹部をふりかえったりします。

 肉用牛の消火器病のうちの一つです。

第一胃内に異常にガスが発生する病気です。

両腹ともに膨張して、たたくと太鼓のような音がします。

そんなかんじで名前がついたんですね!

 肉用牛の病気の中で最も多いのは呼吸器病の肺炎です。

 40度以上の高熱が続いたり、熱の上がり下がりを繰り返します。

また、脈拍が早くなり、呼吸も荒れて早くなるため胸腹式呼吸になって、食欲も減退します。

これも人間と同じですね!でも牛は表情に表れないので日頃の観察が必要なんですね!


 膿毒症(の うどくしょう)とは、化膿を引き起こす菌が体内に侵入し、

臓器や筋肉に転移性の化膿巣(全身ところどころの膿 のかたまり)を作ったり、発育不良を引き起こしたりするものをいいます。

このような場合には、と畜検査において膿毒症と診断され、全部廃棄となる場合があります。

 牛は病気になると、まず最初に食欲の不振・減退の症状が現れるので、体温や排泄(はいせつ)量をチェックします。体温は体温計を肛門(こうもん)に入れ て計ります。

 健康な場合の成牛の体温は38.0-39.5度、子牛は38.5-39.5度です。また、正常な場合の呼吸数は、1分間に成牛で約20回、子 牛で約40回で、1日の排泄量と回数は、糞(ふん)が約20kgで10-15回、尿が8-12リットルで8-10回です。

食欲不振・減退は要注意なのですね!

 余分な水分が筋肉の間などにたまる状態を水腫といいま す。また、皮膚の下に起こる水腫を、特に浮腫といいます。

 肉用牛に多い筋肉の水腫(いわゆる「ズル」)では、ビタミンAの不足している飼料(エサ)を与えた場合に起こると言われています。

 水腫が部分的にあるものは、その部分のみの廃棄になります。

しかし、高度なもの(水腫が全身に広がっているもの)の場合は全部廃棄となります。

 メラニン産生細胞(黒い色の元を作る細胞)による、悪 性の腫瘍のことです。

その名の通り肉眼的には黒色に見えますが、悪性度の高いものでは色のついていないものもあります。

 白血病は、血液を作る細胞ががん化する病気です。

 牛・豚の両方で発生しますが、牛白血病の一部では「牛白血病ウイルス」が原因になるものもあります。

 人にもある病気ですが、牛白血病ウイルスは人には感染しません。

 白血病は血液のがんであり、全身に広がっていると考えられる為、すべての部位が廃棄の対象になります。

 牛白血病は、家畜伝染病予防法における、届出伝染病に指定されています。

 (家畜伝染病予防法第四条第一項)

 腫瘍には良性の腫瘍と悪性の腫瘍があります。

良性の腫瘍は病変が部分的で、全身の症状は認められません。

悪性の腫瘍は全身に転移が認められ、全身に症状が広がっています。

と畜検査では白血病やマラノーマといった腫瘍が多く発見されています。

 判断基準は、腫瘍の分布・形・色・出血・硬さなどから、総合的に判断します。

必要に応じて病理組織検査(顕微鏡を使用した検査)も行っています。

 発見時の耐用は、生体検査時に発見した場合は「と殺禁止」・と殺後、解体前に発見した場合は「解体禁止」
・ 解体後に発見した場合は「全部廃棄」となっています。

 

 肺の表面は胸膜と呼ばれる薄い膜でおおわれています。

 この膜は肺に接している膜と、肋骨側に接している膜の2枚で構成されており、この胸膜に病気を起こしたものを胸膜炎と呼びます。

 胸膜炎の原因には、肺炎(感染症等)によるもの、寄生虫によるもの、腫瘍によるもの、外傷によるもの等があります。

 肝臓の表面は薄い膜(包膜)に覆われています。この包 膜に線維素や結合組織の増生を伴った炎症を起こしたも

のを肝包膜炎と呼びます。


 肝包膜炎には、横隔膜と完全に癒着しているものもあります。

 肝膿瘍(か んのうよう)は、肝臓に膿瘍(内部に膿を含んだかたまり)が出来る病気です。

乳用種の肥育牛(ホルスタイン種のオスで、繁殖能力を取り除いた個体)に多くみられます。

第一胃の炎症部(胃にできた傷)から菌が侵入し、血液に乗って肝臓にとどまり、細菌が増えることにより膿瘍をつくる場合が多くみられます。

富山県食肉検査所では、肝膿瘍が発見された場合、その大小に関わらず肝臓はすべて廃棄します。

 肉用牛の肝臓に多く見られ、オガクズ(鋸クズ)を散ら したように見えることから、この名前がついています。

 病理学的には、多発性巣状壊死(肝臓全体に死んだ細胞がちらばっている状態)で、出血による点が見られることもあります。

 原因として、ビタミンE・セレニ ウムが不足した飼料(家畜のエサ)を与えた場合に起こると言われています。

 胆汁(肝臓で作られる液体)の色素が血液中にたまり、 その結果、臓器や筋肉が黄色を呈することを

黄疸(おうだん)と いいます。

黄疸の原因には、感染症によるもの、肝臓の病気によるものなどがあります。

高度な黄疸については、食用にならずに全部廃棄となります。

 BSE発生国からは国産牛肉と同等な安全性が確認された場合を除き、牛肉の輸入が禁止されています。

 米国・カナダ産の牛肉・内臓については、食品安全委員 会の健康影響評価結果で、日本向け輸出プログラムが守られれば、国産とのリスクの差は非常に小さいとして、輸入を再開しました。

 現在厚生労働省、農林水産 省ではチェック体制を強化し、監視を行っています。

 牛肉の加工食品については、BSE発生国(米国・カナダを含む)からの輸入を禁止しています。

 平成13年9月21日に日本国内で初めてBSEの発生が1頭確認されて以来、平成19年2月5日現在で32頭確認されています。

 これらの牛の食肉、内臓などはすべて焼却処分されており、市場には流通していません。

 ご安心に!

 牛がBSEになった場合、異常プリオンは特定危険部位[頭部(舌、頬肉を除く)、せき髄、せき柱、回腸遠位部(盲腸の 接続部分から2メートル以内)]に蓄積していると言われています。

 そこでこの部分を除去・焼却することを義務化し、さらにBSEの全頭検査を開始しまし た。

 その後、平成16年に内閣府食品安全委員会でBSE問題全般について科学的な評価、検証の議論が開始され、厚生労働省は、BSEの検査対象を21ヶ月 齢以上としました。

 各自治体では、消費者対策として、当面の間20ヶ月齢以下の牛も、検査しています。

 BSEは昭和61年にイギリスで報告されて以来、ヨーロッパを中心に発生しています。BSEに感染した牛やスクレイピー(羊の海綿状脳症)に感染した羊などの内臓を肉骨粉にして飼料に混ぜ、離乳食として牛に与えていたためBSEが広がったとされています。

 BSE(Bovine Spongiform Encephalopathy)は牛海綿状脳症という牛の病気です。牛の脳に空洞ができてスポンジ状になり、異常行動などの神経症状をおこします。BSEの原因は、ウイルスよりも小さいプリオンというタンパク質の異常です。

アメリカ産牛肉の問題点はBSEにつきるのではないでしょうか?

2003年にアメリカでBSE(牛海綿状脳症)の発生が確認されました。

このため、日本を はじめ、韓国や台湾などでもアメリカ産牛肉の輸入が禁止されました。

これによって困ったのが焼肉店や牛丼店です。

日本では全国的に有名な某大手牛丼チェー ンが特盛りの牛丼を販売中止にし、やがて、お店からはアメリカ産の牛肉を使ったメニューが消えてしまったのです…。

それから2年後の2005年、生後 20ヶ月以下の牛に限り、危険部位を除去することを条件に、輸入が限定的に再開されました。

その後また禁止されたりもしましたが、2006年7月に日本の 政府がアメリカの加工施設を視察して、安全性が確認されたことから輸入再開が正式に決まりました。

とはいえ、安全性についてはまだ懸念する声が多く、飲食 産業すべてのお店で大歓迎とはいかないようですね。食べ物の安全性は人の命にもかかわることなので、私たち消費者も品質の良いものを慎重に選んでいきま しょう。