牛の食べ物

かつての日本では自給飼料を与えるのに夏は青刈りを、冬は乾草にしていました。ただし日本の夏は多雨・多湿なため、貯蔵中にカビが生えてしまうなど の問題がありました。

 ところが、昭和50年頃(ころ)にサイレージの通年給与方式が全国的に普及し、繁殖経営も肥育経営もサイレージ給与が一般的になったことで、飼料の貯蔵 問題も次第に減少していきました。サイレージ給与の利点として、

1.省力的に飼料給与ができる

2.栄養面からも好ましい

3.飼料作物が適期収穫されるので収量が高い

4.水田や野菜作との労力の配分がよい

5.牛を多頭化しやすい

などがあげられます。
 さらに最近ではロールベールサイレージの普及で、より省力的にサイレージが作られるようになりました。また、飼料作物を工夫する、共同作業で効率化をは かるなどの工夫もされています。

 繁殖牛1頭を1年間飼う(子牛1頭を市場に出すのを含めて)のに必要な自給飼料は、通年舎飼いの場合、稲ワラ約500kgのほかに、トウモロコシと牧草が 乾物量で約1500kg必要です。

また、稲ワラとトウモロコシ、牧草を組み合わせると効率よく飼育できます。

 自分の畑や借地で栽培して生産・貯蔵した粗飼料を、自給飼料といいます。

 自給飼料は、春に種をまいて夏から秋に収穫する夏作と、秋に種をまき、翌春に収穫 する冬作があります。

夏作の作物には、トウモロコシとソルガムがあります。これらは草丈が3m前後に伸びるため、収量が高く、多収です。

冬作の作物には、 イタリアンライグラスや麦類があります。

 混合飼料はサイレージの約4倍ほど栄養価が高くなっており、CP含量は約14-16%、TDN(total digestible nutrients:粗タンパク質)可消化養分総量)含量は約70-74%です。

 肉用牛に与えるエサは、粗飼料と濃厚飼料に大きく分けられます。粗飼料とは、草そのものや草からつくられたエサのことで、生草、サイレージ、乾草に区分で きます。

 濃厚飼料とは、繊維質中心の粗飼料に比べて、デンプンやタンパク質含量が高いエサです。

一般的には、トウモロコシ、ぬか類、大豆や大豆粕(かす)、綿実な どを混ぜ合わせた混合飼料をつくります。

 

 

 肉用牛に与えるエサは、粗飼料と濃厚飼料に大きく分けられます。粗飼料とは、草そのものや草からつくられたエサのことで、生草、サイレージ、乾草に区分で きます。
 生草は牛が放牧時に食べる緑の濃い草で、栄養価が高く、タンパク質やビタミンやミネラルが豊富で、水分含量も80-83%と多く、新鮮です。
 サイレージは、刈り取り後に適度に乾燥させた生草やあぜ草、野草、牧草などや、カッターやハーベスタなどで黄熟期(黄色く実って収穫に一番よい時期のこ と)に切断したトウモロコシをサイロ(サイレージ用の入れ物)に詰めたものです。乳酸発酵(はっこう)により長持ちするため、これを年間給与する通年サイ レージ方式にすれば、手間をかけずに繁殖牛を多頭化できます。
 CP(crude protein:粗タンパク質)含量の高い粗飼料としては、マメ科牧草(ホワイトクローバーなど)のサイレージや乾草が、TDN含量の高い粗飼料として は、トウモロコシサイレージなどがあげられます。

 牛は人間には消化できない稲藁を食べています。

胃の中の微生物のおかげでそれを酸やブドウ糖に転換しています。

しかし、エネルギー源としてはでんぷんを与えなければならないので、トウモロコシや麦などの穀物を与えています。